もの・こと・じょう・ほう

見据えた海は大海原。耳を澄ませば人の声。振り向き様に富士の山。影の先に一輪の花。

府立大学・市立大学

橋下さんが府知事になって以来、府立大学と市立大学の在り方が何度か大阪の報道で話題にあがりました。
正直、個人的には統合いちゃっていいんじゃないかと思っています。(橋下さんを押しているとか関係なく)
で、元は市立大学は商学系から総合大学へと転身。府立大学は農学系から総合大学へ転身と起源から異なっています。
双方の教学理念として、市立大学は大学は都市とともにあることと国立大学のコピーにはならないことがあります。
府立大学は高度研究と地域融和の共存から多様で国際的で融合した知を求めています。


で、この統合に関して、統合後を見据えた場合、2つの方向性があると思っています。
1:国際競争力のある高度研究を意識した大学
2:教育による地域還元を意識した大学
3:1と2の折衷
1はイメージとしては関東の東京工業大学一橋大学のように分野で特化し、国内でトップを、そして国際的にも上位に食い込むレベルの高いまさしく「研究」機関として大阪を世界にアピールしていくことを強く意識して分野に集中して力を注いでいく。これを行う大学に変わることを念頭において再編します。大阪には東大阪という世界に通用する技術者が集まっている他、湾岸地域には企業の知的生産を行っていく工場(シャープなど)が集まっています。この利点を生かし、共同開発・研究を通して研究による科学知の向上と技術移行を行い、それを企業・町工場へと還元していくことで大阪の成長を押していこうではないかというのです。また大阪・奈良・京都の県境には日本有数の研究機関もあり、他の国立大学・有数私立大学があり、こうした他大学との切磋琢磨を押し上げていく意味でも強い知の集結を国立大学に負けず行うことも必要だと思われます。
2は逆に地域に大学の教育を還元し、大阪府のみならず関西の学生の知識・思考そして府民・県民への知の還元と実践を重視した総合大学を目指していくことを念頭に再編することを予定します。より母数をとり、今の市立大学や府立大学で通えないレベルの学生も通える程度にし、当然懸念される質を落とさない教育に力をいれます。また周辺地域に実践的にボランティア等を通して住民との協働を進めていくことで大学の専門知を国民知にすりよせ、向上させていくことを目指します。そのため、テストやレポートといった単位認定よりも外で何かをやることにも認定の比重を置き、教育する側もそうした机上勉学を飛び出すランナップをそろえることで教育者としての大学教授を養成することも行うことで昨今ある学者と世間の乖離を埋めていくことを目指そうということを予定します。
以上の2点を折衷したのが3で、あるわけですが、これは中途半端を背負う危険があり、個人的には薦めませんが、いいとこどりをすることで母数の拡大と専門知の分野別で向上をはかることで阪大に匹敵する集積知がありながら入りやすく、住民に親しみのある大学を作っていくことを予定するものです。
 












当然、問題もあります。
1はどこに重点を置くかということ。自然科学分野でも様々あり、すべてを平均的に育てるのか、本当に人的・金銭的・設備的集中を行うのかという点、そしてそれによってそれまで市大・府大によって経済的に不利でも受験で通り、通えた学生のパイが減る可能性もあります。また大学の知が経済活動・生産活動に優先され、住民への還元、つまり2のような利点をもたない点で問題があります。
2は1と逆に市立大学の教学理念である国立大学のコピーが大きくなっただけという懸念もあります。また質が必ずしも保証できるのか。実践的・活動的な教育者をどのように集めてくるのかという再編そのものにかかわる課題もあります。
どちらがいいのかは50・50です。失敗可能性を突き詰めて、それでも成功の可能性がないのであれば再編しても2。もしくはしない方が混乱を防げまし、現在の府立大学や市立大学の状態を打破してステップすることを各大学自身が行っていることも事実です。


どのように中からの変革か外からの再編か、受験生も制度変更は困りますよ。今年のセンターがアレでは。