もの・こと・じょう・ほう

見据えた海は大海原。耳を澄ませば人の声。振り向き様に富士の山。影の先に一輪の花。

インキュベーターの問いかけ

大学で4年間、日本史を学んできました。
高校まではいわゆる「歴史マニア」な生徒で、年号や人物を暗記しているだけの「受験用」知識がすべてだと思い込んでいた生徒でした。
思い込みはこわいですね。
こうした思い込みが変わり始めたのもまた高校の頃でした。大学受験を意識し始め、二次試験で日本史の記述のある大学・学部を受けることを考え始めたのです。(京大・阪大・京府大など)
で、その試験対策として買った記述対策本には東京大学一橋大学の問題が掲載されていました。
明らかに違う。これまでの暗記知識を網羅すればできるという代物ではありませんでした。
すでに歴史を点でとらえるのではなく、線でとらえることを理解していたつもりの私に、東大や一橋の問題は線の裏を見るとでも例えるような、要求をしていました。それは、教科書から飛び出した思考と教科書すら疑う探究心でした。



「まったくわけがわからないよ」



飛び出したらいかんやろ、教科書疑ったら何信じるんや。そんな浅く、訓練された人間機械にはこの意味が理解できませんでした。
ただ、こうしたきっかけはより歴史に対する親しみが増したことも事実でした。



大学入学後、日本史の講義では知識の増幅と思考・探究が用意されており、いい意味で歴史に対して冷静にみることができるようになった。
特に、1回生の、のちにゼミの教授になる先生の講義ではそれまで知識だけ持ち、まじめに考えたこともなかった地理や知識すらもなかた哲学といった歴史『以外』の分野を包括した知識と思考が必要になることを強く叩き込まれ、2回生以降は教職関係のことも重なって地理や哲学の講義を履修し、物事をより深く考えなければならないという意識を鍛えることに注力した。
3回生からはゼミに所属し、卒業論文に向けた取り組みを始め、当時公務員試験の勉強範囲での理論的な勉強を始めたこと、経済にぼんやりとした興味(今からしても、今でもなお浅はかな興味である)から経済史・財政史に関わることをテーマとして取り組んだ。
公務員試験のうち、一部の試験では法律系と経済系の試験選択があり、(文学部日本史専攻にも関わらず)経済系を選んだことで、大卒レベル〜一部大学院レベルの経済理論を学び、その他経済に関わる分野を勉強し、公務員一般の試験勉強もする中で、当然のことながら国家レベル、自治体レベルでの政治動向や経済動向、社会動向に興味を抱き、はてブtwitterを通して人の考えなり知識を得たりしながら、自ら物事を考えることをしていった。
就活も終わった段階で、自分にはまだまだ知識や思考の量や質が足りないことを再自覚し、高校1年生に戻りたいと後悔しながらも、卒業までの残り少ない時間を本を読むこと、人の考えを知ることなどを通して鍛え上げることを決め、教科書を逸脱して物事を考えることを要求された4年前の気持ちから



「まったくわけがわからないなら、知って、考えたらいい」



へと変えていくことができたことが大学4年間の一番の財産だと思っている。